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  • 日本医療機能評価機構認定
  • 麻酔の合併症

    咽頭痛、嗄声
     全身麻酔時には気管チューブやラリンジアルマスクが喉に留置されます。そのため手術が終わったあとも喉が痛かったり、声が少し嗄れたりすることがあります。気管チューブを気管に入れる場合は、気管の入り口にある声帯に必ず触れます。声帯は非常に薄い膜状となっており、少しの刺激で声がかすれたり、痛みが出たりします。声のかすれや喉の痛みを100%防ぐ手段はありませんが、手術当日ではおよそ50%の患者さんに程度の差はありますが、これらの症状があります。多くの患者さんは術後2,3日で症状が軽くなり、1週間程度でほとんど症状がなくなりますが、稀に気管チューブにより声帯麻痺が起こり、回復までに時間がかかることがあります。

    吐き気、嘔吐
     全身麻酔終了後、吐き気や嘔吐を起こす場合があります。女性や前回の全身麻酔で同様の症状があった場合、長時間の手術などの患者さんでこれらの症状が出やすいと言われています。吐き気や嘔吐があったとしても、翌日にはこれらの症状はほぼなくなります。
    患者因子 手術因子
    女性 長時間の手術
    前回の手術で吐き気や嘔吐がある。 腹腔内操作、腹腔鏡手術
    疼痛 斜視手術
    不安 産婦人科の手術
    *エビデンスに基づく実践麻酔科学, p.139
    歯牙損傷
      全身麻酔時に使用する気管チューブは口(または鼻)から気管に入れます。気管チューブは気管を傷つけないよう柔らかいビニールでできています。麻酔中はこの気管チューブを通して酸素や麻酔ガスを患者さんに投与し、全身麻酔の状態が維持されます。気管チューブは酸素や麻酔ガスの通り道となるため、麻酔中や麻酔覚醒時に無意識に噛み締めて閉塞しないようにプラスチック製の硬いもの(バイトブロック)を噛んでもらいます。麻酔中や麻酔覚醒時にバイトブロックを強く噛んだりすると、正常の歯でも稀に欠けたり、折れたりすることがあります。
     また全身麻酔時には喉頭鏡(写真参照)という金属の機器を使用します。喉頭鏡を口の中に入れ、気管チューブを気管の中に留置します。喉頭鏡操作を行う際に、歯が折れたり、欠けたりあるいは口の中が少し傷ついたりする場合があります。
     もちろん私たち麻酔科医は患者さんの歯が折れたり、欠けたり、口の中、細心の注意を払っていますので、あまり頻度の高い合併症ではありません。
     義歯や差し歯では外せるものは外して頂きます。また動揺歯(グラグラした歯)があるは教えて下さい。

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    誤嚥性肺炎
     全身麻酔は痛みや反射を抑えて、手術ができるようにします。そのため通常備わっている防御反応も抑えられてしまいます。普通常、寝ている時は吐いても、咳などにより吐物を吐き出して、気管や肺に入ったり、詰まったりするのを防ぐ反射があります。しかしながら全身麻酔中は睡眠中と異なって、吐いたものを吐き出す反射がなくなりますので、吐物が肺や気管に入って、誤嚥性肺炎や窒息を起こすことがあります。誤嚥性肺炎を発症すると、術後人工呼吸器管理が必要となります。当院では誤嚥性肺炎の危険性を少しでも減らすために、手術当日に飲んだり食べたりすることをやめ、胃の中を空にしてきて頂いております。

    喘息発作
     特に喘息の既往のある患者さんでは全身麻酔時に喘息発作が誘発される場合があります。喘息を持病でお持ちの患者さんは発作の頻度や程度などを麻酔科医にお伝え下さい。また、日常より使用している薬剤や発作時に使用する薬剤をお持ちの患者さんはその薬剤も持参して下さい。

    不整脈
     全身麻酔や脊椎麻酔中に不整脈が出現する場合があります。特に不整脈を持病でお持ちの患者さんは不整脈が出現する可能性が高くなります。またペースメーカーを埋め込んでいる患者さんはペースメーカー手帳を持参して下さい。手術中に使用する電気メスがペースメーカーに影響する場合がありますので、その可能性がある場合はペースメーカーの設定を一時的により安全なモードに変更する場合があります。
     私たち麻酔科医は手術中、患者さんの頭元にいますので、重篤な不整脈が出現した場合、適切に治療致します。

    アレルギー
     手術の時に使う手袋や薬剤が患者さんと合わなくて、アレルギー反応が起こる場合があります。血圧が下がったり、呼吸がしにくくなったりする場合がありますが、私たち麻酔科医は患者さんの頭元にいて、血圧や呼吸の状態を常に監視しております。手術中にアレルギー反応が起こっても私たちが迅速に対応致します。

    挿管困難症
     患者さんの口の構造(顎が小さい、口が開かない、歯の生え方がおかしい等)が正常でない場合や肥満の患者さんなどは気管チューブを気管に挿入するのが非常に困難な場合があります。通常、特殊な器具やファイバースコープを用いて気管挿管できますが、稀に喉の腫れや出血によって窒息状態になる場合があり、窒息を防ぐための緊急救命処置として気管切開が必要となる場合があります。

    喉頭浮腫
     気管チューブの刺激やアレルギー反応などにより喉の奥が腫れ、極めて稀に窒息する場合があり、この場合も緊急救命処置のため気管切開が必要となる場合があります。

    ショック
     ショックとは何らかの原因により急激に血圧が下がり、生命が危険に瀕した状態です。手術中は麻酔科医が血圧や呼吸状態を常に監視し、安全な状態に管理していますが、それでもまれに重篤なショック状態に陥ることがあります。特に手術前から、重症の合併症(心疾患、肺疾患、出血、重症の腹膜炎等)のある場合、ショックの起こる可能性が高くなります。

    悪性高熱症
     麻酔と患者さんの相性の問題で全身麻酔中に悪性高熱症という病態が発症する場合があります。この高熱は風邪などの場合の高熱と違い、非常に危険な状態になり得ます。そのため全身麻酔中に悪性高熱症になった場合、手術を中止し、悪性高熱症の治療にあたります。しかしながら非常に稀で、数万人から十万人に一人程度と言われています。また家族性に起こりますので、血族関係の方で全身麻酔を受けて、悪性高熱症を発症した方がおられましたら、教えて下さい。

    心筋梗塞
     心筋梗塞とは心臓を栄養する血管に何らかの障害が生じ、心臓の血流が不足し、心筋細胞が壊死してしまい、心臓の機能が障害される状態です。周術期の心筋梗塞発生率は1.8-3.0%程度と報告されています。手術中は手術侵襲や麻酔の影響で心臓に負担がかかり、動脈硬化の強い患者さん、閉塞性動脈硬化症の患者さん(特に狭心症や心筋梗塞の既往のある患者さん)ではその危険性が増します。

    肺塞栓症
     心臓から肺に血液を送り出す動脈(肺動脈)に血の塊や脂肪などが詰まり、肺に血液を送り出せない状態が肺塞栓症と言います。肺塞栓症になると著明な低酸素血症や心不全になり、重篤な場合は突然死してしまう可能性があります。手術前、術中、術後の安静に寝ている状態でできた足の血栓(血の塊)が肺動脈に飛んでしまい、発症します。『エコノミークラス症候群』と同じ病気です。重篤な肺塞栓の発生頻度は0.1-0.8%程度との報告があります。

    脳梗塞・脳出血
     脳梗塞とは脳に流れる血管に何らかの障害が起こり、脳に壊死が生じるため、脳の機能に障害が生じる状態です。脳出血は頭蓋内の血管が破れ、出血し、脳に障害が生じる状態です。脳梗塞の既往のある患者さん、不整脈のある患者さん、糖尿病の患者さん、動脈硬化の強い患者さん、脳内出血、クモ膜下出血、高血圧症のある患者さんではその危険性が高くなります。

    脊椎麻酔後頭痛
     脊椎麻酔後、頭痛がする場合があります。これは脊椎麻酔施行時に生じる針穴から脳脊髄液が流出することが原因となります。脊椎麻酔後頭痛が生じた場合、医療スタッフに頭痛がすることをお伝え下さい。座ったり、立ったりすると症状が悪化します。

    硬膜外血腫、硬膜外膿瘍
     脊椎麻酔や硬膜外麻酔を行う際、背中の奥深いところの静脈が体表から見えないため、針があたり、血の塊ができる場合があります。血液検査で血が固まりにくいような場合や血液をサラサラにするような薬剤を服用している場合は血の塊がどんどん大きくなり、それが神経を圧迫して、神経障害を引き起こすことがあります。手術が決まれば服用している薬剤を教えて下さい。
     また背中から細菌が入り、背中の奥深いところに膿の塊(膿瘍)が生じる場合があります。脊椎麻酔や硬膜外麻酔をする際、きちんと背中を消毒してから針を刺しますので、硬膜外膿瘍が生じる可能性は極めて稀です。

    神経損傷
     脊椎麻酔、硬膜外麻酔や神経ブロック施行時に神経に針が刺さって神経損傷が生じる場合があります。脊椎麻酔や硬膜外麻酔は患者さんが起きている状態で行い、神経に針が刺さる前に針先が神経表面に触れることがわかるため、神経損傷の危険性を小さくすることができます。また神経ブロック施行時は超音波画像診断装置(エコー)を用いており、針先の位置を確認しながら神経ブロックを行っているため、神経損傷の危険性は極めて小さいと考えております。

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