病院長挨拶
ご 挨 拶 病院長 能見 伸八郎 【経歴】
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独立行政法人地域医療機能推進機構
JCHO ( Japan Community Health care Organization )京都鞍馬口医療センター
このたび、社会保険京都病院は「京都鞍馬口医療センター」として生まれ変わりました。
平成26年4月から国が設置した57の社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院は独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)に移行され新たな航海を始めます。機構名が長いのでJCHOジェイコーと略します。JCHOは地域医療における新たなブランドとして、「地域医療、地域包括ケアの要として、来るべき超高齢化社会における地域住民の多様なニーズに応え、地域住民の生活を支える」ことをその使命としています。これにともない当院も「京都鞍馬口医療センター」と改称されました。
病院の沿革と特徴
京都鞍馬口医療センターは陽光に映える比叡山が間近にせまり、鴨川のせせらぎが聞こえるような山紫水明の地、紫明通りと烏丸通りの交差する市北部「鞍馬口」にあります。古来、鞍馬・洛北方面への出入り口として交通の要所であり、現在も地下鉄鞍馬口駅から北へわずか100メートル、京都駅から地下鉄で12分という交通至便なロケーションにあります。
当院は、昭和21年に健康保険鞍馬口病院として開設され、診療科の造設、増改築や設備の拡張を行いつつ、昭和37年には総合病院として承認され京都市北部地域の中枢的病院として発展してきました。平成2年には「社会保険京都病院」となりましたが、地域で今もなお親しまれている「鞍馬口」の名称に再び戻りました。
当センターは322床、25診療科の急性期病院として運営され、患者分布は、入院外来ともに北区40%強、左京区20%そして上京区10%と市北部の患者さんが中心で、日本病院機能評価機構の認定病院、日本人間ドック学会機能評価認定施設、臨床研修病院、府立医大の学外実習病院、地域での開放型病院はもとより多数の学会の認定施設、教育修練施設、京都府がん診療推進病院であります。医師のみならず薬剤師、看護師、その他コメディカルをめざす学生教育の場として、また救急救命士などの修練の場、市民公開講座や健診を通して地域住民への健康教育の場として利用されています。
当センターは、「患者さんを中心にした安全で質の高い医療を通して地域・社会に貢献する」ことを理念とし、患者中心の基本的な人権を尊重すること、安全で質の高い医療を提供すること、充分な説明と同意をもとに透明性のある医療、地域の中核的な病院として地域社会に貢献して行くこと、適正な保険診療、地域の保健予防活動、住民の健康教育、後進の医療人の育成などを基本方針としています。大学病院レベルの治療を地域で身近に提供することを心がけるとともに、64列CT、MRIを24時間いつでも撮影可能状態で待機し素早い治療方針の決定に高く貢献しています。今後とも引き続きがん診療、消化器疾患、脳血管障害、スポーツ整形疾患、救急医療にも力を注ぎたいと思っています。
付属する健康管理センターでは生活習慣病予防検診、特定健診・特定保健指導も実施し、国の調査研究にもデータを提供し貢献しています。
当センターの今後
JCHOの一員として医療・福祉施設・公的機関と連携し、住民の多様なニーズに応え、切れ目のない地域医療・包括ケアの充実に努めて行きます。要となる人材を育成し、複数の疾患を合わせもつ高齢者に対応出来る、幅広い診療能力をもつ総合診療医の育成をも積極的におこない、従来からの専門医と地元医療機関との連携強化によりシームレスな地域医療構築を目指します。
JCHOでは人材育成・教育に対して特に重点を置いており、関連大学を含めた既存の研修パッケージに加え、新機構内の病院間でも各病院の得意分野に応じてベストな研修が出来るように教育環境の提供を図って行きます。JCHOの病院では条件が整い次第、順次日本プライマリケア連合学会の認定プログラムの導入が予定されています。
おわりに
京都市内でも医師不足に陥っていますが、とくに救急病院の減少した市北部地域での救急医療、病診連携に問題を抱えております。JCHOのグループ病院として新たに総合診療の充実を図り、専門医との協働により、高齢化社会に向けて地域医療の向上に少しでも寄与したいと思います。
平成26年4月
院長 能見伸八郎