なぜ ”メタボリックシンドロームチェック”が必要なのか?
現在の健診では, 糖尿病,高脂血症,高血圧など生活習慣病を健診ガイドラインに基づいて”個々の動脈硬化危険因子”として判定,評価しその重症度に応じてコメントや指導を行っております。
ところで近年これら危険因子のうち二つ以上をもち,同時に内臓脂肪型肥満(りんご型肥満:ウエストがヒップより大きい)の人が多くみられることが注目されるようになりました。
内臓脂肪は過食,飽食と運動不足といった生活習慣によりおなかの内臓周辺にたまりますが,その結果,たまりすぎた脂肪組織から分泌されるいくつかのホルモンのアンバランスにより,たとえば血液の中のブドウ糖を有効に利用させるインスリンの”効き”が低下して食後の高血糖を起こしたり(:インスリン抵抗性といいます),脂質代謝や血圧調節,免疫系などに乱れを起こさせることも解ってきました。
すなわち,太りやすい生活習慣
->肥満(内臓肥満型脂肪)->インスリン抵抗性->2型糖尿病 や
->肥満->高血圧,脂質代謝異常 など
という様に,肥満を原因として同時に重複して生活習慣病が起こってくるような方たちのグループが少なからず存在するわけです。
”メタボリックシンドロームチェック”ではこのような肥満と関連して危険因子が集積したひとを健診データから判別し見つけ出します。さらにその上流にある太りやすい生活習慣や下流にある動脈硬化に関連した臓器障害の有無をお示しします。
そして,”減量するだけで生活習慣病の発病を回避できそうな方”には,強力な減量を促す働きかけ,”特定保健指導”を行います。