脂質異常症はタイプによって食事療法の内容が異なります。食事の欧米化がすすんでいる今日、自分のタイプを知り、現在の食生活を分析して何が問題なのかを明らかにし、その改善に努めることが食事療法の中心になります。また、適度の運動を続けることも大切です。
食事のポイント
1.コレステロールが高いと言われたら
a.エネルギーの制限
標準体重を維持するように心がけます。
過食により、摂取エネルギーが過剰になれば、肝臓でのコレステロール合成も亢進します。
b.油脂に気をつける
血中コレステロールを上げてしまう作用があるバターやラードは避け、肉類は脂身のないところを使いましょう。動物性の脂肪(飽和脂肪酸)よりも、植物性の油、魚油(不飽和脂肪酸)を!
c.コレステロールを多く含む食品は減らしましょう
コレステロールを多く含む、卵類、レバー、肉の脂身、内臓など注意が必要な食品を知りましょう。コレステロール摂取量は1日300mg以下とします。
d.食物繊維をとりましょう
海草、きのこ、こんにゃくなどに含まれる食物繊維には、血中コレステロール低下作用があるので毎日食べるようにしましょう。
2.中性脂肪が高いと言われたら
a.エネルギーの制限
b.甘いものはひかえめに
糖質の過剰摂取は体内での中性脂肪の合成を亢進させます。糖質の中でもとくに、砂糖、果糖、ブドウ糖のように甘い糖は、中性脂肪に変わりやすいので、ジャム、ハチミツ、菓子類なども含めて、甘いものを制限します。
c.アルコールをひかえる
アルコールも過剰摂取すると肝臓で分解されきれず、中性脂肪への合成が盛んになります。
3.コレステロール、中性脂肪の両方が高いと言われたら
a.エネルギーの制限
b.油脂に気をつける
c.コレステロールを多く含む食品は減らしましょう
d.食物繊維をとりましょう
e.甘いものはひかえめに
f.アルコールをひかえる