診療・各部門
呼吸器疾患は肺がんや悪性胸膜中皮腫などの悪性腫瘍、肺炎など呼吸器感染症、気管支喘息やCOPDといった気道疾患、間質性肺炎、睡眠時無呼吸症候群など多岐にわたります。気管支喘息の有病率は成人で5%、COPDの患者数は500万人以上、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の患者数は900万人以上と推定されています。また、2020年の厚労省の人口動態統計の死因総数を見ますと、1位の悪性新生物(肺がんが最多)、5位の肺炎、6位の誤嚥性肺炎と、呼吸器疾患が上位にずらりと並んでおり、呼吸器疾患は重要な位置づけにあります。
呼吸器科では、咳や息切れといった症状、レントゲンの異常で患者さんが受診されますと、血液検査、呼気NO検査、呼吸機能検査、胸部CT検査、気管支内視鏡検査、胸腔鏡検査などさまざまなツールを用いて疾病を紐解いていきます。当院では、EBUS-GS、EBUS-TBNAなど超音波を利用した気管支鏡検査を迅速に行っており、これまで診断が困難であった早期・微小肺病変でも組織診断が可能な症例が増えております。また、気道の好酸球性炎症を評価し気管支喘息の補助診断に用いる呼気一酸化窒素(NO)検査も検査室で行っており、慢性咳漱の鑑別や気管支喘息の診断の補助に用いています。診断が確定しましたら、各種疾患ガイドラインに準じ、抗菌薬、生物学的製剤を含めた抗アレルギー薬、抗がん剤、免疫チェックポイント阻害剤などを用い、患者様に寄り添い病気と向き合って参ります。
当科では地域に根差した診療を心がけて参ります。長引く咳漱でお困りの時、肺に陰影が出てきた時など、何か呼吸器疾患でお悩みの時はぜひお気軽にご紹介ください。令和6年度より当院呼吸器内科は4人から3人体制となりました。外来診療ではお待ちいただく時間もあるかと存じますが、ご病状が安定しましたら、ご紹介いただいた患者さんの逆紹介もお願いできますと大変ありがたく存じます。
引き続き宜しくお願い申し上げます。